時代劇に出てくるような悪代官は実在したのか?

時代劇に出てくるような悪代官は実在したのか?

時代劇を見ていると、代官として登場する人物はほとんどと言っていいほど悪代官であり、賄賂を取ったり、年貢徴収で手心を加えたりして私腹を肥やす、庶民泣かせの悪役ばかりです。はたして、代官所の代官といえば、このような悪代官ばかりだったのでしょうか。

このような代官はほんの一握りだったと言えるでしょう。何故なら代官の仕事は多忙を極め、悪事を働く暇などなかったであろうことが予測されるからです。代官の仕事というのは治安維持、年貢取り立て、治水工事、新田開発などであり、現代で言うなら市長と税務署長と警察署長を兼ねたような職業でした。これを20人ばかりの部下とともにこなし、5〜10万石の土地を納めていました。通常、大名家が5〜10万石の土地を納める場合には、400名位の部下とともにこなすのが普通でしたので、代官の仕事は非常に忙しかったでしょう。