ひな人形の並べ方

ひな人形の並べ方

現代では雛人形を全てそろえて飾る家は少なくなってしまいました。飾るにしてもお内裏様とお雛様のセットで済ませてしまうことが多いものです。三人官女を見たことがないと言う人も多いかもしれません。

三人官女とは、雛壇の二段目に置く雛人形です。一段目は言うまでもなくお内裏様とお雛様、三段目は五人囃子と続いて行きます。

三人官女は宮中に使える女官を表していますが、三人三様の意味が込められています。向かって右側の女官は、長柄銚子をもって口を閉じています。これは「しゃべりすぎは禁物」という、つつましやかな女性の嗜みを表しています。向かって左側の女官は、かすかに口を開けて笑っています。これは「笑顔を絶やしてはいけない」という教えです。そして真ん中で三宝を持っている女官は眉がなく、お歯黒をしています。これは既婚者の女官を示しており、「末永くよくお仕えする」という意味が込められています。