キツネは本当に油揚げが好き

キツネは本当に油揚げが好き

お稲荷さんのお供え物といえば油あげです。ではキツネは本当に油あげが好きなのでしょうか。

キツネは実際に油あげを好物としていますが、これにはわけがあります。日本のキツネは昔から人里に出現し、人間の食べ物をこっそり盗んで生活していました。キツネは匂いで食べ物を見つけて盗んでいましたが、人間の食べ物の中でも特にキツネにとって刺激的な匂いだったのが油の匂いだったのです。それに、油で揚げたものの匂いは、匂いの粒子が油の被膜で守られて遠くまで届きます。このため、キツネは匂いを嗅ぎつけやすかったのです。

このため、日本には昔からある食べ物である油あげが、キツネの好物となったのでした。そして、「きつねうどん」などというふうに、油揚げそのものをキツネと呼ぶ場合もあるほどに浸透したのです。