カニ缶の中のカニの身が紙に包まれている理由

カニの缶詰をあけると、例外なく、必ずカニの身は半透明の紙に包まれています。この紙は「酸性パーチ」と呼ばれる紙であり、普通の紙ではありません。なぜこの紙に包まれているのかと言えば、カニは缶詰にそのまま入れておくと、カニと鉄との間で「ストラバイト現象」という化学反応を起こし、これがもとでガラス状の結晶を作り出してしまうのです。ガラス状の物質が入っていれば苦情が来るのは必至で、売り物にならない、だから必ず酸性パーチに包まれているのです。

しかし、ストラバイト現象については不明な点が多く、なぜガラス状の物質ができるのか分かっていません。そして、なぜ酸性パーチがこれを防ぐのかも分かっていません。経験的にこの紙がストラバイト現象を防ぐということが分かっているだけなのです。

しかし、酸性パーチも時に機能を果たさないことがあり、今でも缶詰の中にガラスが入っていたという苦情があるようです。