マラソンの世界最長記録は54年の金栗四三

マラソンの世界最長記録は54年の金栗四三

日本にマラソンを広め、「マラソンの父」として知られるのは金栗四三です。

彼は、1912年にストックホルムで開催された第五回オリンピックに、マラソン日本代表として参加しました。ちなみに日本人がオリンピックに参加するのはこの大会が初めてのことで、全日本人の期待を肩に背負っての出場でした。

しかし、マラソン当日、ストックホルムは猛暑に見舞われました。出場者68人のうち、何と34人が途中で棄権しました。金栗四三も26.7q地点で日射病のために棄権しました。

しかし何故か、金栗の棄権は主催者にうまく伝達されず、「行方不明」という扱いになってしまったのです。オリンピックの記録には、棄権はあっても行方不明はないため、金栗は延々と走り続けていると言う事になりました。

そして1967年、ストックホルムで開かれた「オリンピック55年祭」に招かれた金栗は75歳になっていましたが、ゴールの少し手前から走ってゴールインを果たしました。この時、

「日本の金栗、ただいまゴールイン。タイム、54年8ヶ月6日5時間32分20秒3、これを以て第五回ストックホルムオリンピック大会の全日程終了」

というアナウンスが流れました。