四谷怪談のお岩さんの真実

四谷怪談のお岩さんの真実

四谷怪談とは、夫に殺されたお岩が幽霊となって復讐するというストーリーですが、これは創作であり、実際のお岩夫婦は円満でした。新宿にある於岩稲荷も、お岩の怨念を鎮めるための神社ではありません。

お岩は徳川家御家人の田宮家に嫁いだのですが、田宮家は16石の禄高で生活は非常に苦しい物でした。お岩は家計を助けるために商家に奉公に出ていました。お岩は日ごろから田宮家にある屋敷社を信仰していたので、その甲斐あってか夫婦の蓄えは順調に増え、田宮家は見事再興するのです。近所の人たちはお岩の幸運にあやかるために、田宮家の屋敷社を信仰し、これが於岩稲荷となったのです。

のちに歌舞伎作家の鶴屋南北が、お岩の名前を使って歌舞伎の物語を作ったのですが、お岩の幸福話では面白くないので、怨霊話に書き換えたのでした。