ゲテモノの意味と由来
「ゲテモノ食い」という言葉があります。これはあまりいいイメージではありませんね。なぜなら現代では、虫や動物の生殖期など、普通の人なら口にしたがらないものを食べることを指すからです。
しかし、江戸時代は皆ゲテモノ食いでした。しかし皆現代で言ういわゆるゲテモノを食べていたわけではありません。
どういうことかと言うと、ゲテモノを漢字で書くと「下手物」とかきます。これの反対は「上手物」です。ゲテモノすなわち下手物は、本来は並の物、庶民的な物を指す言葉だったのです。
この意味が派生して、下手物という言葉は庶民的な値段が安い食べ物や田舎料理などを指す言葉となったのです。このような意味で、江戸時代の人々はみんなゲテモノ食いだったのです。
時代の変遷にともなって食文化が西洋化すると、田舎料理や素朴な食べ物が蔑まれるようになり、ゲテモノの意味は「普通の人が口にしないモノ」という意味になったのです。