お歯黒にする理由・意味〜お歯黒の歴史
江戸時代の女性は結婚すると、身だしなみの一環としてお歯黒で歯を黒く染めていました。このお歯黒の歴史は古く、古墳時代から行われていたものだといいます。
お歯黒は色気の象徴であり、結婚した女性の特権でしたが、同時に虫歯や歯周病を予防する効果もありました。結婚出産で歯がもろくなったりする女性は、無意識に予防を行っていたのです。
お歯黒は昔、「鉄漿(かね)」と呼ばれ、「鉄漿水」と「ふし粉」という漆の仲間の粉から作った粉を混ぜたものを塗っていました。この2つの材料は、酢酸第一鉄、タンニン酸が主成分であり、歯のエナメルに浸透して虫歯を予防し、また歯周病予防の効果もあったのです。当時は入れ歯の技術などありませんでしたから、大いに役に立ったことと思います。