江戸時代の旅行事情

江戸時代の旅行事情

車、電車、バス、船、飛行機、いまでこそ交通機関には実に様々なものがありますが、江戸時代の人々は言うまでもなく自らの足で旅をしていました。徒歩で移動できるのは、足の丈夫な成人男性で1日あたり10里、つまり40qくらいのものでしょう。女性、子ども、老人連れであれば7里、つまり28qくらいがいいところでしょう。

大阪〜江戸間は137里もあります。順調に歩き通しても片道に2週間くらいはかかります。女子供の足なら20日間くらいかかるでしょう。

当時の江戸庶民の楽しみは「江の島の弁天詣で」か「大山詣で」でした。往復には約1週間が必要であり、大坂〜江戸間の片道の半分の距離で旅が終る計算になります。

1週間の旅ともなれば、お金もそれなりにかかってしまいます。草鞋代、食事代、宿代などです。このため、お金を融通しあう「講」が発達していたのもよくわかります。