縄文時代の釣り糸の素材と作り方
縄文時代の遺跡からは、動物の骨などでつくった釣り針が出土しています。しかし、釣り糸とセットで発見された釣り針はなく、釣り針は土に還るなにかで作られていたことが予想されます。
確証はないものの、食物繊維をより合わせてつくった紐の断片が遺跡で発見されているため、これらの紐が釣り糸につかわれていた糸ではないかと推測されています。
これらの紐の素材はクワ、フジなどといった木の表皮の下にある甘皮を剥ぎとったものや、イラクサ類の表皮の線維を寄り合わせたものでした。これを見る限り、かなり細かい丁寧な手作業によって作られており、縄文人たちは非常に几帳面で、細かい作業ができたのだということが分かります。釣り糸はこうして手作りされていたのです。